根本雄伯

根本雄伯は指揮者作曲家並びにホルン奏者

 

鎌倉市生まれ。3歳よりヴァイオリンを、4歳よりピアノを始める。 15歳よりホルン、指揮法、作曲を学ぶ。1987年東京藝術大学音楽学部入学。ホルンを山元俊雄、守山光三に、室内楽を中川良平、アンリエット・ピュイグ=ロジェに、指揮法を佐藤功太郎に師事する。また和声法、対位法、管弦楽法なども同時に学ぶ。

 

1991年第1回京都フランス音楽アカデミーに於いて最優秀管楽器奏者に選ばれ、講師として来日していたジョルジュ・バルボトゥ氏に強く留学を勧められる。1992年東京文化会館推薦新人演奏会出演後、フランス政府給費留学生として渡仏、パリ・エコールノルマル音楽院へ入学。ジョルジュ・バルボトゥに師事し、翌年満場一致で最高位ホルン演奏ディプロマ、並びに審査員特別賞受賞。同年、パリ国立高等音楽院、アンドレ・カザレのクラスへ入学、1996年同音楽院を満場一致の一等賞を得て卒業した後、エコールノルマル音楽院のジョルジュ・バルボトゥのクラスに於いて勉強を再開。翌年満場一致で最高位コンサートプレイヤーディプロマ、並びに審査員特別賞受賞。同時にフランソワーズ・ビュッフェ=アルセニジェヴィックのクラスに於いてピアノ演奏ディプロマを取得する。1999年パリ国立高等音楽院大学院室内楽科へ入学、ゼフィール木管五重奏団のメンバーとしてモーリス・ブルグのもとで勉強、同年トゥーロン国際音楽コンクール入選。さらにトレヴー国際ホルンコンクール第3位受賞。2000年イタリア『金の樫国際コンクール』で第2位を受賞した後、エクス=アン=プロヴァンス国際音楽祭のヨーロッパ音楽アカデミー管弦楽団(指揮ローランス・エキルベイ)で首席を務める。翌年パリ国立高等音楽院大学院卒業。パリ国立高等音楽院室内管弦楽団、ルーアンオペラ座管弦楽団、パリ管弦楽団やアンサンブル・アンテルコンタンポラン等で研鑽を積む。

 

2003年マルセイユ国際木管五重奏コンクール『アンリ・トマジ』に於いて第3位受賞。同年国立音楽院教員国家試験に日本人管楽器奏者として初めて合格、またローマ国際音楽トーナメント作曲部門に於いて特別賞受賞。パリ国際文化週間からの委嘱を始めとし作曲家としてもデビューする。

 

2004年ペレアス室内管弦楽団首席就任。また同年マルク・ミンコフスキー率いるレ・ミュージシャン・デュ・ルーブル入団、2006年より同オーケストラ首席奏者としてナチュラル・ホルン、ピストン・ホルン等での演奏を行っている。 2005年ポワトゥーシャラント管弦楽団首席に就任、現在に至る。また室内楽奏者としてヨーロッパ各地を始め、南米、イスラエル等の音楽祭へ頻繁に出演する他、フランス国立放送や、クラシック音楽専用チャンネル《MEZZO》等にも出演している。

 

2006年ムジカ・ニゲラ国際音楽祭音楽監督に抜擢され、地方都市でのクラシック音楽の普及に力を注いでいる他、2015年までパリ郊外のカシャン国立音楽院ホルン科、室内楽科の教授、並びに学生オーケストラの指揮者として後進の指導にあたった。作曲家としてはブザンソン・ヴィクトル=ユゴー管弦楽団やポワトゥ=シャラント管弦楽団、パリ外国文化週間等から委嘱を受け作品を発表する他、編曲家としてもオペラカンパニー《レ・ブリガン》、パリ・オペラ座、アンサンブル・ジュスティニアーナ等からの委嘱を受けており、2015年3月の《Lettre du Musicien》紙上では『フランスの最もすぐれた編曲者の一人』と評された。

 

指揮者としては自ら率いるアンサンブル・ムジカ・ニゲラと共に毎年数多くの公演を行う他、笈田ヨシ、ミレイユ・ラロッシュ、ブロンティス・ジョドロフスキー、ジャン=フィリップ・デルソー等の演出家と共に毎年オペラの指揮を手掛けている。また2013年にはルネ・マルタン氏の招待により、ナント並びに日本各地でのラ・フォルジュルネに参加、フランス音楽を始めとした得意のレパートリーを指揮し好評を博した。2014/2015のシーズンにはブザンソン・ヴィクトル・ユゴー管弦楽団、バイヨンヌ・コート=バスク管弦楽団等にも客演指揮者として招待された。

 

ここ数年来ロンドン・ロイヤル・アルバートホールでのBBCプロムス、ザルツブルグ音楽祭、ブタペストフランス音楽フェスティヴァルを始めとしたヨーロッパ各地の著名な音楽祭へ出演するほか、2014年年にはナントのラ・フォルジュルネ並びに南仏のベルリオーズ音楽祭に於いてポワトゥー・シャラント管弦楽団、フレデリック・ヌーブルジェールと共にメシアンの大曲《渓谷より星々へ》を演奏し、Anaclase紙上で『根本雄伯は冒頭の雄大かつ勢いに溢れたホルンソロのニュアンスに究極の注意を払うことによって、またその後のソロでは効果音の豊かな表現力、端から端まで完璧にコントロールされた衝撃的なパフォーマンスによって輝いていた。素晴らしい。』と絶賛された。ピリオドから現代曲までこなすマルチぶりは2009年の白寿ホールでのコンサートでも『恐るべき超絶技巧とヴィルトゥオーゾ性。馥郁たる抒情と柔軟性あふれる筆致』と注目された。

 

また2015年10月に行ったリサイタルでは、ナチュラルホルンとモダンホルンによる演奏を披露し注目され、パイパーズ紙上で2回にわたってインタビューが掲載された。

 

2015/2016のシーズンでは笈田ヨシとの新たなコラボレーションでメッサジェの『お菊さん』、またサン=カンタン国立劇場でジャン=フィリップ・デルソーの演出による『月に憑かれたピエロ』等の公演での指揮を行い好評を得た。作曲家としても宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を音楽劇化した新作がパリで初演され、Klartheレーベルでの新曲の出版が続行される予定である。

 

2016年2月にヴェネツィアオペラ座フェニーチェのシーズンの一環として、マリブラン劇場に於いてエルヴェの『円卓の騎士』を指揮しイタリアでのビューを果たした他、同年5月には宮崎国際音楽祭へ初登場しリゲティのホルントリオを演奏した。今シーズンには自ら率いるアンサンブル・ムジカ・ニゲラプロデュースによる『月に憑かれたピエロ』舞台版の公演をパリアテネ劇場で行い、今年12月にはパリ・オペラ座円形劇場にての再演が決まっている。ホルン奏者としては今年7月メシアン音楽祭30周年記念のコンサートで同作曲家の『渓谷より星々へ』のソリストを務め、また指揮者としては2018年6月にはマルタ共和国首都バレッタのヨーロッパ文化首都記念の公式行事の一環としてニッコロの歌劇『シンデレラ』を国立マノエル劇場で指揮する予定である。